オーデュボンの祈り
昨夜、一冊の本を読み終えた。
タイトルは伊坂幸太郎著「オーデュボンの祈り」。
Vielaの本番の日にプレゼントで頂いたものだ。
伊藤というなんのヘンテツもない主人公が、突発的な動機でコンビニ強盗をしてしまい、萩島という仙台の先の牡鹿半島の南にある島へ逃げて来て、そこの住人達と繰り広げられる様々な不思議な出来事の話。
この荻島、150年前から現在に至るまで鎖国していて、独自のルール、考え方がまかり通ってる。
伊藤は仙台で生活していたのだから、最初はそれに戸惑うが様々な出来事や出会いから彼自身の考え方にも変化が現れるのであるが・・・。
もちろんフィクション。でも伊藤の生活していた仙台の様子と島の様子が交互に描写されていて、あたかも荻島が本当に存在してるのでは?という錯覚をもたらせてくれる。
いわば、本を読みながらまるで夢を見ているような感じ。
なぜこの本をプレゼントしてくれたのか、正直分からなかった。モチロン、オススメだったのかも知れない。
でも最後まで読んで理由が分かった。
この島には”あるもの”が欠けていて、外から来た人間がそれをもたらすという言い伝えがあった。
この本の最後にその”あるもの”が明らかになるのだ。
プレゼントしてくれた人はそれと僕を関連付けてくれたんだな、って。
これ以上言うと分かってしまいそうなのでコレくらいにしておきます。
でももう一つ感じたのは、様々なルール、考え方があったとしも、根底に流れる愛や憎しみ、優しさ等の感情っていうものはどこの場所でも共通して存在し得るものなのでは?という思い。
現実の世界でも肌の色、言語や宗教の違いで起こる摩擦の数々。
でも人間のおおもとの感情って何も変わらないんだろうなーと感じた。
それをシンクロする為にもその”あるもの”ってスゴク役に立つんだろう。
是非読んでみて下さいませ。
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コメント
こんにちは、登坂さん。
先日一度コメントさせていただいた、shinoと申します。
「オーデュボンの祈り」、早速読んでいます。
子供がいながらの読書はなかなか先に進めないのですが、私も読書は大好きですぐに読めないのがわかっていても、つい本屋に足が向いてしまいます。
この伊坂幸太郎の「オーデュボンの祈り」もセリフの言い回しが面白いですね。
ちゃんと情景が思い浮かべられて、惹きつけられます。
ちょっとした合間ではありますが、伊坂さんの世界にどっぷり浸かってみようと思います。
次に待っているのはキャサリン サンソム著の
「東京に暮らす1928-1936」という岩波から出ている本で、これまた知人に薦められた本ですが、楽しみにしている本です。
登坂さんはご存知ですか?イギリスの外交官である夫の赴任に伴い来日した著者の視点からみた、
昭和初期の東京の古き良き生活背景などを記した内容とのこと。本屋に在庫が殆どなく、最近になってようやく増刷されたので、予約までして手に入れた本です。こういった本を手にしたときは何とも言えないワクワク感でいっぱいになります。
活字で心を潤すことを久しくしてないので、「オーデュボンの祈り」も「東京に暮らす」もきっと私を満たしてくれることに違いはないでしょう。
楽しみです。
長々と失礼いたしました。
今日は暖かいですね。
色々とお忙しいのでしょうが、これから始まるGWも有意義な日々になることを祈ってます。
それでは・・・
追伸:先日23日のearth day、私も代々木まで足を運んできました。ap bankのトークショーはもちろんのこと、green birdのブースも大盛況で、みんなの「地球」「環境」に対する熱い想いがビシビシ伝わってくるようでした。
登坂さんにももしかしたらお会いできるかも。。。なんて思っていたのですが、いらしてなかったようですね。残念です。
でもこうしてみんなが少しずつ「エコ・レゾ」していけると良いですよね。
では!!!
投稿: shino | 2006/04/28 10:39
To:shinoさん
とても素敵なメッセージ、ありがとうございます!本当に嬉しいです。
earth day、とても行きたかったのですが、その日は吉祥寺でgreenbird活動をしてまして行けませんでした、残念。
「東京に暮らす」必ず読みますね。今はハードボイルド小説を読みふけってます(笑)。
基本的にジャンルを問わないので、ハハハ。
本を読んでると、活字から映像や音声が頭の中のスクリーンに映し出されて、とてもとても楽しいですよね。
もちろん映画も大好きです。
でも本は自分自身の想像力で広がる世界を与えてくれますよね。それがとても楽しい。
いつか僕を見かけたら声をかけてくださいね。
大好きな夏が近づいてて、日々、日差しにウキウキします。
それでは。
投稿: 亮太 | 2006/04/29 02:41
23日の事は「たぶんそうかなぁ。。。」って思ってました。
また機会があることを願って・・・・。
夏、私も大好きですっ!!!!
でももっと好きなのはこれからの季節、夏への序章というか・・・・空気が夏の匂いになった瞬間ですね。いわゆる初夏と呼ばれる5月、6月。
これからくる暑い!熱い!夏を思い浮かべてはウキウキしてしまうのです♪
だから梅雨の鬱陶しさも気にならない!
むしろ雨が降ってる風景が大好きな私です。
「雨」、それはなんとなくセンチメンタルに、そして落ち着かせてくれるアイテムです。
登坂さんも確かそんな事書いていらっしゃいましたよね?
日記を読んだ時に「同じだなー」っと思った記憶があるので・・・
これ以上書くと止まらなくなりそうなので
この辺でやめておきますね(笑)
早く夏に出会える事ができますように。
それでは失礼いたします。
投稿: shino | 2006/04/29 10:26
To:shinoさん
夏への熱ーい想い、ヒシヒシ伝わります。
僕も夏の序章の匂い、とっても好きですよ。
それにも増して雨匂いが大好きですが・・・。
雨が降ると精神が呼吸を始める感じがあるんです。
日常の中で貯めていた様々な事が雨の日にカタチを変えて新しい側面が見える様な気がするんです。
なんというか、冷静になれるような、熱くなれるような・・・。
僕も止まらなくなりそうなんでこの辺でやめておきますね。
良い夏を。
投稿: 亮太 | 2006/05/01 03:23
GWに「オーデュボンの祈り」読みました!
とっても面白かったです。
この本を亮太さんにプレゼントしてくれた人は、ラストできっと亮太さんのことを思い出し、亮太さんにもこの本を読んでほしくてたまらなくなってしまったんですね。素敵なメッセージだと思います。
それにしても、とても才能豊かな作家さんですね。すっかり伊坂ワールドに引き込まれてしまいました。続けて「重力ピエロ」も読みきりました。(これもオススメですよ!)今「ラッシュライフ」を読み始めたところです。
紹介してくださってありがとうございまーす!
投稿: buttercup | 2006/05/12 14:34
To:buttercupさん
お返事が遅れてしまってゴメンなさいね!
すでに3作目突入とはスゴイ・・・。
僕は読むのが遅いので、とてもウラヤマシイです。
よかったら感想教えて下さいね!!
投稿: 亮太 | 2006/05/24 16:17