職人の手
沢山の傷や塗料がついた作業台。
どう使うのか想像出来ない不思議な道具達。
壁にならんだ修理や調整を待つ沢山のギター達。
その部屋は穏やかに優しく、そして何か確固とした時間が流れてた。
とても居心地の良いその部屋の椅子に座って佐伯さんの手元を眺める。
僕は小さい時から”職人”さんの手元を見るのが大好き。
NHK特集とかで日本の伝統工芸の特集とか昔からやってたけど、小さな時からジーっと飽きずに観てたのを思い出す。
ただの木の塊から顔が現れたり、土の塊から器が現れたり、どう見ても壊れたモノが新品以上に美しく再生したり。
小さな僕にとってそれはマジックであり奇跡だった。
今でもそれは変わらない。
佐伯さんは壊れたボディのギターを全くもって綺麗な状態にしていた。もう全然割れていた事実なんて聞かなきゃわからないくらい。
一つ一つのギターに深い愛情と知識と経験を持って触る佐伯さんの手元を見てると時間がどれだけあっても足りないや。
僕のギターは調整と部品の交換。
とってもとっても弾きやすくなって愛情が更にましてしまった、ハハハ。
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コメント
もう職人って言葉を聞いただけで、とてもワクワクするのは私だけ?
日本人って繊細さを美徳とするところがあるけどそれを代表するのが「職人」だと私は思ってます。
私もこういうのはずっと見ていて飽きませんね。
しかもその後必ず自分でも何かやりたくなってウズウズしちゃう。
それは嘘ではなくて、何かしら「作る」ことが好きで、普段花のアレンジメントを作っていることを筆頭に海で拾ってきた貝殻やビーチグラスをなんやかんや細かい作品を作っていたりします。
一番好きなのはその作る過程。きっとそれに集中して没頭している時間が好きなのでしょう。
俄か職人ですけどね(笑)
ん~こういう話は止まらなくなる!
投稿: shino | 2006/08/06 06:41
To:shinoさん
そうですね、”作る過程”ってとても楽しいですよね。
完成品を見た人が全くわかんないようなトコロに時間をかけて、こだわってしまう事って絶対にある!(アノ方も言ってましたね。)
でもそういう”想い”が完成品にはれっきとした差として現れる、僕はそう信じてます。
楽しみながら、そしてそれを見たり聞いたり食べたりする人の笑顔を想像しながら作っていきたいですよね。
投稿: 亮太 | 2006/08/06 15:48