その先に

いつもの海へ。

午前中の雨もやみ、わずかな青空がのぞき始めてる。

「読み通りだ。」

僕はほくそ笑んだ。

晴れてから出かけだしたと思われる沢山の人達は、残り僅かな休日を少しも無駄にすまいと急ぐように楽しんでいる。

この波の中にはあんまり居たくないなぁ。そろそろ帰ろう。

そう思ってた時に君が見つけた横道。

ただの民家へ続く道だと思いながらもついていってみる。

そこに待っていたのは今まで見たコトのない絶景ポイントだった。

まだ雲は多いけど、その間から差し込んだ夕日の光が海面に道を造り、その上を強風が吹いて細かな霧を造る。

その上に何者か降りてくるんじゃないかという神々しさに思わず見とれる。

見慣れた場所のすぐそばにある別世界。

きっと僕らの毎日はそんなタイミングと角度で成り立ってるに違いない。

同じ毎日なんてないし、同じ繰り返しなんてない。

ありきたりだと思われてる毎日の中でも、その側に必ず感動的な側面があるハズなんだ。

いつもの場所のその先には・・・

そこにいくには自分自身の気持ちの持ち方かも知れないし、大切な誰かの導きかも知れない。